裁判一回あたりの平均費用(個人)
- K Wat
- 7月19日
- 読了時間: 3分
「裁判一回あたりの費用」というご質問ですが、実は日本の裁判費用は「期日(裁判所に行く回数)ごと」に計算されるものは少なく、多くは訴訟全体でかかる費用となります。
ただし、ご質問の意図に最も近い費用として、弁護士に依頼した場合の「日当(にっとう)」が挙げられます。
結論:裁判一回(期日)あたりの直接的な費用
弁護士が裁判所へ出廷する都度発生する費用は「日当」と呼ばれ、これが「一回あたりの費用」に最も近いものです。
日当の相場:1回あたり 3万円~5万円程度
これに加えて、裁判所までの交通費などの実費がかかります。したがって、弁護士と裁判所に行くたびに、約3万円~5万円+交通費 がかかるとイメージすると分かりやすいでしょう。
重要:裁判費用の全体像
しかし、裁判にかかる費用の大部分は、この「日当」ではありません。裁判全体でかかる費用は、大きく分けて「弁護士費用」と「裁判所に納める費用」の2種類があり、その多くは訴訟の開始時と終了時に支払われます。
1. 弁護士費用
弁護士に依頼する場合にかかる費用です。法律事務所や案件の難易度によって大きく変動します。
費用の種類 | 支払うタイミング | 金額の目安 | 概要 |
相談料 | 弁護士に相談した時 | 30分 0円~1万円 | 依頼前の法律相談にかかる費用。初回無料の事務所も多い。 |
着手金 | 依頼した時(訴訟開始時) | 30万円~60万円 (請求額による) | 訴訟の結果にかかわらず支払う費用。案件に着手してもらうための費用で、最も大きな負担の一つ。請求額の〇%といった形で決まることが多い。 |
報酬金 | 訴訟が終了した時 | 獲得額の10%~20% (経済的利益による) | 勝訴した場合や、有利な和解ができた場合に支払う成功報酬。完全に敗訴した場合は発生しないのが一般的。 |
日当 | 裁判の期日ごと | 1回 3万円~5万円 | 弁護士が裁判所に出廷する都度かかる費用。 |
実費 | 随時 | かかった分 | 収入印紙代、郵便切手代(予納郵券)、交通費、通信費、証拠の収集費用(鑑定など)など。 |
2. 裁判所に納める費用
弁護士に依頼する・しないにかかわらず、訴訟を起こすために必ずかかる費用です。
費用の種類 | 支払うタイミング | 金額の目安 | 概要 |
手数料(収入印紙代) | 訴訟を起こす時 | 請求額による (例:100万円→1万円) (例:500万円→3万円) | 訴状に貼る印紙代。請求する金額(訴額)に応じて法律で定められている。 |
郵便切手代(予納郵券) | 訴訟を起こす時 | 6,000円前後 (裁判所・当事者数による) | 裁判所が当事者に書類を送るための郵便代。最初にまとめて予納する。 |
まとめ
「裁判一回あたり」という観点で見ると、弁護士の日当である3万円~5万円程度が直接的な費用となります。
しかし、裁判費用の総額で考えると、
初期費用として「弁護士の着手金」と「裁判所に納める印紙・切手代」で数十万円
中間費用として期日ごとの「日当」が数回~十数回分
終了時に勝訴すれば「弁護士の報酬金」
という形で費用が発生します。そのため、訴訟を検討する際は「一回あたり」の費用だけでなく、総額でいくらかかるのかを弁護士に確認し、見積もりをもらうことが非常に重要です。
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